第八百三十八回

・九州は何もしないとヒマだけど、逆に言えばせっかくの営業を勉強する良い機会なので、そこは頑張りたいと思っている。
高校の先生が言ってたけど、文系の仕事は結局営業で、弁護士になろうと会計士になろうと営業ができなければ成功はしない。
だから、営業できるようになることは今後俺が文系として生きていくからには絶対に必要な要素で、勉強しなければならないことだし、営業することが必要とされる今の職場はとてもチャンスだと思う。
銀行の営業担当のミッションは、お客さんととにかく日々密に連絡を取り合って話をし、会話の中から資金需要etcを引き出すこと。
残念ながら俺はプロファイとかについて今一つ良く分かってないまま異動してしまったので、なかなか最適のソリューション提供みたいにはいかないが、そこは本で得た薄い知識でも良いので持ち駒を増やしていきたいところだ。




・そんな中、何となく意味あるのかなぁと感じて、昔買って本棚に眠ってたマーケティングの本を最近読んでいる。
読んでて感じるのは実は仕事云々ではなく、俺自身にマーケティングの観点が一切欠けているな、ということ。
すなわち俺がピアノ弾けようがバイクに乗れようが料理が上手かろうが、誰も興味がなければそんなことをアピールしたところで何の意味もない。
いくら俺がハードボイルド度を高めていこうと、世の中で必要とされてなければ意味がないのである。
例えば日記とかFacebookとかだって「パスタ作りましたキャピ!」とか「ワンピース読んで泣いちゃいましたキャピ!」みたいなことを言ってた方がリアクションもらえるんじゃないだろうか。
が、俺はなるべくハードボイルドな方が良いと未だに思っているし、そもそも人と共感したいとさほど思っていないので、愛も変わらずリアクションのし辛い男なわけだ。
仕事の話に戻ると、僕が日常やりとりするのはおじさんがメインでなので、僕のこういう側面はむしろ可愛いらしく、結構好感をもってもらえたりする。
そういう意味では私生活はともかく、さほど仕事の上ではマーケティングに失敗してはいないのかも。
でも、30ぐらいになったら可愛いではごまかせない気がするし、もしやりとりする相手が年下になったりしたら、俺はただの話のつまらないおじさんになってしまうだろう。
なので、徐々に身の振りも考えなければなるまい。




・ここからは完全に妄想論だが、現在の社会構造において銀行の営業で上手くいく若手は、年上のおじさんの好感を得ることができる人だろう。
その前提に立てば、男の場合はモテない方が営業が上手くいく(たぶんキョージュとか)。
そして、モテない男よりもさらに営業が上手くいくのはおじさんの話をちゃんと聞ける素敵な女性だろう。
もし日本がちゃんとした男女平等社会だったら、こういう女性は圧倒的に営業に向いているから確実に成果を上げて出世する。
すると20年後企業の中堅世代はおじさん受けの良い女性とモテない男によって占められることとなる。
20年後に仕事をするのは年上のおじさんではなく同年代の人となるだろうから、そこで成果をさらに上げるためには同年代からの支持を得なければならない。
ここで、モテない男はモテない男のままだとおじさん受けの良い女性の支持を得られず成果を上げられない。
一方、おじさん受けの良い女性は同年代からの受けも良くならなければならない。
よって、男の場合は徐々にモテるようになっていく奴が、女性の場合は徐々にかわいいからカッコいいに変わっていく人が出世していくことであろう。
というわけで俺はこれから徐々にモテるようになってけば出世できる。
と考えて頑張りたいと思います。
アディオス!